第39話:新潟での歓迎会

 早速、歓迎会の席で北島は今後の活躍に期待して欲しいと
強気の挨拶をした。

 少し酔いが回った山下君先輩が北島君、ここは都会みたいに甘くないぞ、
 冬になれば良くわかるはずと意地悪そうな顔で語った。
 彼は入社当時、出身地の関西の営業所を希望したが願い叶わず
新潟へ来た苦い思い出があったのだ。

 彼自身が冬の日本海の厳しさは誰よりも実感していた。

 例えば冬に佐渡へフェリーで渡り出張した時、日本海が荒れ佐渡で
一週間以上、足止めになったり、また新潟から佐渡へ長期間、
渡れない事が数回あった。

 そんな辛い日々を何度も経験していた。都会で評判のエリート営業マン
にライバル意識をむき出しにするのも無理からぬ事だった。
 女子社員は、そんな北島君に興味津々。
 一年先輩の鈴木先輩はクールに北島君、お手並み拝見しましょう。
 ただ、ここはそんなに甘い所じゃないよと不敵な笑みを浮かべていた。
 佐藤君は、いつもの低姿勢で先輩宜しくいいろいろ教えて下さいねと、
しおらしく、お辞儀をした。


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