68話:サリー先生との出会い1

 

 GOS英会話教室に十月から新しい先生が赴任してきた。
 カナダ出身のサリー先生、長身で細身の美人。
 数日後、彼女の歓迎会を近くの居酒屋で行った。
 活発でお酒も強く楽しいタイプであった。
 調子にのって二次会に誘うとついてくると言うので
スナック中町へ行った。
 ゆかりママはびっくりして目を丸くして出迎えてくれ、
二次会は清水さんとサリーと北島の三人だけだった。
 サリーがアバが好きで何曲も歌った。声もきれいで上手だった。
 そしてかなり打ち解けたのかサリーの身の上話まで出てきた。
 サリーは訳あって好きな男性と別れて日本に来たという。
 もう少し詳しく聞いてみるとサリーの恋人は185cm100kg以上
の大男で悪い人ではないのだが飲み過ぎると喧嘩をするのが欠点だった。
 ある日、地元のパブで喧嘩をし相手を入院するほど殴ってしまい
監獄送りになった様だ。
 この話には、みんな、びっくりした。少しして、ゆかりママがサリー
と流暢な英語で話し出したのだ。
 ゆかりママがサリーに、その気持ちよくわかると
言い出して意気投合した。
 そして、また悩み事があったら北島さんに連れてきて
もらってねと言った。サリーの連絡先まで聞いていた。
 また辛い事が、あれば電話していいよと言ったのだ。
 それにゆかりママの英語が上手さに驚いた。
 北島が、ゆかりママにも何か秘密があるなと、それとなく
理由を聞くのだった。
 ゆかりママが昔、横浜で米軍の若者と仲良くなって結婚を夢見たが、
その彼が米国に帰ってから戻らなくなり音信不通となった
苦い経験をしたらしい。
 その時の辛い経験がサリーの気持ちに共鳴したのだ。
 その後サリーは、ゆかりママと二人で長々と話していた。
 サリーは、よっぽどうれしかったのか最後はママーと連呼して泥酔した。 帰る途中でサリーが北島に、どんなタイプの女性が好きなのと
聞いてきたので、女性はグラマーで色っぽい人が好きだと答えた。
 サリーは、酔った勢いでサリーの事なんかどう思うと言ってきた。
 そこで北島はサリーは、きれいで素敵だと思うけど残念ながらタイプ
ではないと言ってしまった。するとサリーは怒った目で北島に向かって
「ミスター・ノー」は見る目がないと言った。
 泥酔していたので仕方なく北島と清水さんでタクシーで彼女の
アパートまで送った。
 北島が彼女を肩に担いで清水さんが鍵を開けベッドの上に下ろして
帰ってくる羽目になった。
 翌日は体調不良と言う事で英会話学校を休んだそうだ。
 今年も大晦日を迎え、また年が明けた。
 

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