81話:松本での家を買う1

 女房の友人であるSKSハウスの女性が、また、北島家を訪ねてき、
松本の農協さんが、大規模に農地を宅地化した分譲地で、
県外の人でも買える良い物件が出たので是非、見に来てと言った。
 奥さんが乗り気で今週末に見学する事にした。
 そこは、松本市南部の郊外で、大学病院まで、車で二十分程度の
かかる所である。
 松本市南部は、最近開発が進んでいる地域で、南松本駅の近くである。

 家の中を見ると、豪華で吹き抜けの玄関に、シャンデリア、六LDKで、お風呂は四人も入れる大型浴槽。

 一階は大型の二重サッシが二カ所、リビング・ダイニングは南向きで、広々、十六畳リビングとと八畳の和室、大きなウオークイン・
クローゼット、作り付けの大型靴箱、大型の押し入れと、十分収納施設も
備えている。
 二階はバルコニー他に、三つの洋室がある。土地は百坪強だった。
 総額五千万円を、何回かの交渉で、四千三百万円まで値下げに
応じてくれた。

 実は、後でわかった事だが、一年近く買い手がつかなくて、
県外の人でも買える様になった物件だった。

 勤務先、年齢、役職と年収など、具体的な話となった。その時、
まず会社のことを聞いてきた。
 上場してない事を話すと、そうですかと、暗い返事がかえってきた。
 あなたの、ご出身はと聞かれ、東京ですと答えると、県外ですか・・ 
 では、頭金は、半分以上お持ちですか? 質問、攻めにあった。
 頭金は一千万円くらい、では、どうですかと言うと、笑いながら、
そりゃー無理だと。
 他県の人に、そんな大金を融資してくれる銀行はないよと言った。

 ところで、担当者が、あなたと、奥さんの両親は、何をしてるのと
聞くので、女房の父が、会社を経営していると答えると、担当者の顔が、
急に明るくなるではないか、それをもっと早く言ってよ、
という始末だった。電話番号聞かれ、確認された。

 あれだけ嫌な顔していたのが、上機嫌にかわり、商談成立となった。

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