73話:レ線写真をコンピュターに取り込む実験2

 待つこと一時間。IVMが興味を示してきたと言うのだ。
 もし成功した場合その結果を会社の宣伝に使わせてくれるなら
実験しに行くとの返事だった。
 翌日、この話を教授に伝えたところ宣伝許可の話は承知したと言った。
 教授の空いてる日を聞いて、再度、直接を話してみますと伝え失礼した。 IVMと打ち合わせをして翌月十日の夜七時から
実験をする事になった。

 当日は大型トラック一台と、クレーン車一台と、乗用車一台で、
IVMの社員が五人で医局にやってきた。
 廊下を、大きな台車にのせた大型スキャナー(画像取込装置)と
大型パソコンとハードディスク装置とモニターを持ってきた。

 医局は広いが機械を操作するのに五人とデータベース研究会の五人と
教授の十一人が入るといっぱいだった。

 早速レントゲン写真を取り込む事を開始、最初に機械の電源を入れて
五分待ち安定したのを確認してイメージスキャナ(画像取込装置)の
上にレントゲン写真をのせスタートボタンを押した。
独特の音を立てて少しずつ光が動くのが見え、一枚を取り込むのに五分、
メモリーに画像データをため込み、次に、そのデータを
ハードディスクに書き込む。
 メモリへの取り込みとハードディスクへの書き込みに約十分かかった。

 その画像を二十四インチのモニターに映し出すと見事にレントゲン写真
が映し出された。

 どよめきと、ため息がまじった声が医局内にひびいた。
 それを教授が見始め、画像が暗いからモニターの明るさを上げる様に
との指示がでて係員が調節した。
 そのレントゲン画像をじっくりと見始めてから数分して
教授が百点満点中、七十点かなとの評価を下した。

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