第12話-2:千葉の田舎に就職-2

 次に楽しかったのは、町内野球大会であった。
 年に四回、春夏秋冬に行われた。
  かなり、この地域では野球が盛んであった。 
  広い原っぱが多く、練習場には困らない、
田舎という立地条件が、幸いしたのかもしれない。
 そして、その二人と先輩と、工場長に、訳ありの若手二人、
運送担当の人、近所の人など、九人をかき集めて、
町内の野球大会に出場していたのである。
 ただ、強くはなく、最高でも、三回戦までであった。
 優勝は、強豪三チームが、ほぼ独占状態であった。
 次に、工場について、少し触れてみる。
 工場は、従業員が約三十名、うち女性がパートも含めて、
五人であった。
 高齢者の兼業農家の人が多かった。
 その為に野菜、果物を差入てくれるのが楽しみであった。
 訳ありの若手が二人おり、軽い知的障害を持っている若者であった。
 塩尻君、二十代後半で、ぽっちゃり体型でエロ、スケベとか
呼ばれる位の男で、お金が貯まると近くの町のソープランドへ
行くのが、唯一の楽しみであった。
 発送係のパートの、若めのおばちゃんの、お尻を触ったり、
胸を触ったりして、よく、ひっぱたかれていた光景が
微笑ましく思い出されてくる。
 人は良いのだが、こすっからい所があり、悪るっぽいのだが、
賢くないので企みが、すぐばれてしまうのである。
 ただ気が小さく、びびりで、大きな事は、起こせない、
かわいい、悪ぶってる兄ちゃんといった感じであり、
みんなに、からかわれていた。
 もう一人は、十代後半で、良い子で挨拶もするし、
いつも笑顔の好男子だった。
 ただ、しゃべるのが苦手で、よく馬鹿にされていて、
口で、反論できないので、真っ赤な顔をして、
悪口を言った人を追いかけまわしていた。
 お母さんが大事に、育てているせいか、しつけもできており、
障害さえなければ、普通に働いて、
家庭をもてたであろう、愛すべき男であった。

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