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14話:レンタルオフィス市場調査2(202105-202106)

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 次に新宿に移動してワンフロアーを5社でしているITベンチャー企業の5人と面会した。まず最初に一番年輩そうな人が、どの位、話は進んでるのですかと聞いてきた。廃校の中学校の改修費用の段階というと、まだ先の話の出すねと言っていた。そこで海津が入居希望される企業の方が多いので意外と話は早く進みそうですと言うと、本当ですかと他の企業責任者が言った。次に若そうな企業責任者の方が中学校の教室を回収してオフィスと寝室を完備していればソフトウェア企業としては最高の環境であり近くのリゾートの海岸や温泉に行き、ゆっくりして、また仕事に戻れるって理想的だと言った。風呂、シャワー付きのレンタルオフィスで食事も届けてくれれば完璧ですね。条件が合えばすぐにも行きたいと言っていた。  費用はと聞かれて6人用 (最大8人)のレンタルオフィスとアパートで26万円/月と言った。具体的に人数と広さと値段表を提出して下さいと言われた。体験入所もさせていただけるんですかと言うので一泊まで一万円で行うつもりですと言った。彼は、それなら良いねと言った。もっと具体的な資料を写真入りで欲しいと言われ、でき次第、送る事を約束した。  その夜は山田さんが、飲みながら、海津さんのもくろみ通りITベンチャーのニーズが高いのには驚いたねと言った。海津は確かに想像以上にニーズが高いのにはビックリしたと言い、もしかしたらITベンチャーだけでも十分かも知れませんと言う事になった。最終日の大学と中高年の訪問は理由をつけて断りましょうかと言った。その方が良いかもしれないという意見で一致した。すぐに宿のキャンセルをして翌朝の飛行機の変更をお願いの電話を入れたところ変更できた。  最終日は渋谷でITベンチャー企業、ワンフロアー4社の人と面会した。昨日と同じ、どこまで話が進んでるのか聞かれて話すと、もっと具体的な写真入りの資料が欲しいと言われた。また体験入所の質問も受けた。4社各、責任者の方が、期待大ですが、実現できるのですかと言われた。もちろん実現するために東京に説明に来ているのですと笑いながら答えた。是非、実現して欲しいので詳しい資料を30部欲しいと言われた。同業者の会議の席上で話してあげると一番年輩の責任者の方が言ってくれた。海津は、礼を言って必ず送りますと約束した。  その後、二

13話:レンタルオフィス市場調査1(202105-202106)

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 翌週のYG空港、朝7時5分の便、羽田着が8時10分で、横浜へ行き、初日の面会を開始することにした。 朝5時半に山田さんが海津家に迎えに来てYG空港へ向かった。天気に恵まれ定刻に着き、8時半に山下公園近くのバス停で降りて「ジョナサン」で珈琲を飲みながら9時15分、面会予定の会社に電話を入れた。その会社は近くの雑居ビルにあり広さ12畳くらいの広さに6人の従業員がおり、みんな若くて20代に見えた。  そこの代表の宮城さんに挨拶し地元の廃校になった中学校の全部の24教室のうち20教室をレンタルオフィス+二段ベッドのアパートに変えて使ってもらうつもりですと言った。まだ青写真ですが一階に、風呂、シャワー二つ、を作る予定ですと言い、車(リース)も利用できる様にするつもりですと答えた。宮城さんが元の中学校全部をレンタルオフィスにするのと聞いてきたので全部埋まれば、そうするし、もし埋まらない場合は長期滞在施設なども考えていますと伝えた。  レンタルオフィス定員6名、最大8名 (月10万円)とアパート(月16万円)兼用で1つの教室を使う様に考えていますと答えた。宮城は理想的ですねと言った。冷暖房費用はと聞くので、電気、水道、ガス、ガソリン等は実費です。経費は人数の均等割りで請求しますと答えた。机、椅子、エアコン、ネット接続設備、リース車も用意しました。宮城は、それだけついて、この価格は安い。ただ実際に体験してみないと善し悪しはわかりませんと言った。確かに、そうかも知れません。体験入所と言う事で1日、1万円でと言うのではどうでしょうと言った。それなら是非、試してみたいですねと言った。ただ、この件はまだ役場で了解してませんので、ここだけの話にしといて下さいと伝えた。現在の所、ニーズを調査している段階なので、ご了解下さいと言った。  すると宮城は、私は、あるITベンチャー企業団体の会長をやっていますが、値段の事を何も言うなと言う事ですかと聞いてきた。そこで、そう言う訳にもいかないでしょうから、1室6人用(最大8人)のレンタルオフィスと二段ベッドのアパートで合計、26万円と言う事にしておいて下さいとお願いした。宮城さんは、わかりました、率直に言って大いに興味がありますので期待していますと言ってくれた。海津は宜しくお願いしますと言っ

コーヒーブレイク・団塊の世代をなめるな!

 情報鎖国・日本の現状(元・若者よ立ち上がれ)  毎日の様に、森友学園や加計学園・獣医学部問題で言った、言わないとか、首相責任問題とか、野党が追及している間に、世界では、アメリカと北朝鮮問題、アメリカの貿易赤字解消のための一方的な輸入関税問題が巻き起こっていたり、イタリアの組閣ができず、EU離脱の可能性がでてきたり、世界は大きく、激しく動いてる。しかし日本では相変わらず「井の中の蛙大海を知らず」で情報鎖国で、積極的に世界の情報を取ろうとしない限り、情報が入ってこないのだ。  昨今の、日本の経済は、観光客増加の影響で、悪くなさそうに見えるが、日本人国内の需要は、決して良くない。スマホ、ゲーム、動画配信、AIスピーカーと、楽して生活でき、情報も得られる、世界一の先進社会と思っている人(特に若者)も多い。しかし裏を返せば、盲目的に情報に踊らされているのではないかと、危機感を感じる。スマホ(アイフォンなど)、ネットショップ( Amazon)、AIスピーカー(グーグルホーム)、ネットフリックス、アマゾンプライム(動画配信)は全部、米国製ではないか。米国は、不公平、不公正な貿易で大きな経済損失を受けてるとして25%の輸入関税を課そうとしているが、上記の様な、最新鋭・情報機器による、米国の商慣習の押し売りにより世界中の富は米国の異常なほどの独占状態で米国はどれだけ儲けているか天文学的数字であろう。  しかし、米国の黒字にはならない、それは全て Fang、(Facebook、Amazon、Netflix,Google)+Appleの天文学的な利益になっているのだ、その利益を表面にでないように、税金の安いアイルランド等の低税金国に利益を隠している。これらの米国、民間企業の利益と米国の赤字を相殺すれば間違いなく大きな黒字の筈である。全て情報操作、狡猾な隠蔽というか、とにかく誤魔化されているだけだ。  更に、インターネットも全て、米国に傍受され、筒抜けである。個人のプライバシー、嗜好、消費動向も全部、把握され、インターネットをひらくと、その人の買いたいもの宣伝が出てきて、ついついネットで買ってしまう。これは、綿密に計算されたものである。もう一度、原点に立ち返って、自分の頭で考える、当たり前の人間の行動に立ち返って欲しい。特に、これから日本を背負っていく若

12話:第1レンタルオフィス建設2(202101-202105)

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 ご存知の様に町の過疎の対策で廃校を再利用してインターネットを繋いでレンタル・インターネットオフィス+アパートの施設に作り替えようと考えてるんです。教室を仕切った部屋が、寮の 2人部屋のように、パソコンをおける机と椅子と、その向かい側に2段ベッド(普通の2台のベッドにもなる)つまり、アパートとオフィスが一体となった部屋。(間仕切りもつける予定。)海津が協力して欲しいと市役所の山田さんに頼まれて、アイディアを出したんですよと言った。  あなたの会社も地元の発展のために協力すべきじゃないんですかと言った。すると、あわてて、山川部長が会社に電話をかけ始めた。海津の発言に、山川部長は、そう言うことですかと言い、でも、本当に都会の人が来てくれんですかといった。そんな事とやってみなけりゃわからない、ただ最善の案を出したんですよと言った。  予算を立てて、都会のネット企業や多くの企業、団体に会い、ニーズがあるかどうかは調査しに行くつもりですと答えた。その後、会社の社員を数人呼び写真を撮って、もっと詳しく、見積もりを立てますと言ってくれた。 少しして、3人の男がやってきてデジタルカメラで、手際よく手分けして写真をとり始めた。話は分かりましたので、池田社長と話して備品代、修繕費用、水回り、風呂、ガス、電気の設備の詳細な見積もりを出しますと言ったので、海津達は、先に帰った。  その後、山田さんと出張の打ち合わせをして、海津の知っている人脈を使って、会ってくれる会社、団体をリストアップする事を約束した。山田は郵送で資料を送るから後日、海津にチェックしてくれる様に頼んできた。もちろん協力を約束し来週にも面会の約束を取れた先を訪問する事にした。出張先は東京、横浜となった。自宅まで送ってくれる車中で山田さんが海津さんてやり手なんですねと言い、また協力お願いしますと頭を下げた。海津はわかりました、こういう新しいプロジェクトは大好きですから絶対に成功させたいので全面的に協力するといった。  海津は、自宅に帰り、役場至急の携帯電話で自分の仲の良い友人や同僚、先輩に情報収集のために電話をかけまくった。ベンチャー企業、IT企業、学校のクラブ、裕福な中高年のグループなど20件ほど紹介してもらった。翌日は、朝から紹介先に1件づつ電話をかけた。ベンチャー、IT企業は全社と

11話:第1レンタルオフィス建設(202101-202105)

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 市役所 の山田さんから海津にメールが入り、廃校の中学校について、何か良いアイディアはないかと聞いてきた。廃校になった学校を利用する場合、収益性で考えるなら、賃貸のインターネットオフィス+コンドミニアムとして使う方法や、オフィスだけでも良いし、ホテルだけでも、短期移住型、長期滞在施設としても使えるようにすると良い。校庭を整備して、スポーツ施設として利用し、合宿施設としても使えると提案した。翌日、海津のところに、山田さんから、今日、迎えに行くから昼飯でも取りながら具体的な話がしたいと言ってきたので了解した。  11時に山田さんが家に来て昼食をした後、珈琲を飲みながら話をした。 山田さんがインターネットオフィス、又はコンドミニアムの案が面白そうだと言った。レンタカーの件も手配できる様にしたいと考えた。その他、スポーツ合宿施設の案も興味深いといった。そこで、どの程度の設備が必要かなと言ってきた。それは、実際にネット企業、ベンチャー企業にの人に聞かないと、わからないと話した。すると山田さんが、今日、少し時間もらえるかと言うので、夕飯までなら大丈夫と答えた。  そこで、早速、 2人で廃校の中学へ行った。海津の家から、車で15分。学校から駅まで車で15分と不便ではない。中学校は、それほど古くなく、少し、手を入れれば、何とかなりそうな気がした。そこで山田さんに、地元の建築屋さんで安く改修工事してくれるところを知ってるか、聞くと、あると言った。次に、海津が、ところで役場ではどの位の予算を出せるのか聞いたところ1千万円までといった。それを聞いて海津と山田さんは、中学校へ出かけ内部を見る事にした。見て回ると鉄筋コンクリート2階建て、築30年で大きな亀裂もなく床も異常なかった。2階に上がって廊下を歩いたり、階段も上り下りしたが異音もなく、問題なかった。海津が、実際に建築屋さんに実際に見てもらったらと言うと、山田さんが、その時に一緒に来てくれないかというので、了解し、火曜、木曜の昼間なら良いと伝えた。  同じ週の木曜日の昼に会って昼食後の午後2~4時と決まった。山田さんが迎えに来て、昼食後、以前、市で仕事をお願いした池田建設を訪ねた。池田社長が会ってくれ、会社の山川部長に同行するように言ってくれた。その後、山田さん、海津と共に、3人で、現地に出かけた。中学

10話:利益率向上作戦(202005-202012)

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 農家の人にとっても、農閑期の副業として喜ばれ、兼業農家の人のうちの高齢者、数人が仕事を辞めて近所の道の駅で働きだした。また、海津は売れ残った農産物を終了1時間前に全品を半額にして在庫を売りきった。更に農家で売り物にならない果物、野菜を引き取り、午前中は野菜、生ジュースにしたり、サラダとして食堂で出したりして午後2時以降にサービスパックとして、大入り包装で安く販売する様にした。今まで、捨てていた商品が売れるようになり、農家の人から喜ばれた。  2020年4月の役場の会議の開始1時間前に山田さんと町長さんから話があるという事で呼び出された。行ってみると、まず町長から道の駅の販売好調の件のお礼を言われ、ついては道の駅の責任者として駅長になった欲しいと言われた。毎日、最後まで仕事をしなくてもいい。だた、今後も斬新なアイディアで道の駅の発展、役場の利益向上、地元の人の労働の場の提供をして欲しいと言われた。その後の会議で町長から海津夫妻の道の駅長と副駅長の任命の件が全員に報告された。  次に7月からの学生アルバイトを役場で募集した件や近隣の町、村役場にアルバイト募集のポスターを張り、高校、短大、大学にも募集のポスターを送った。兼業農家の人が8人ほどパート職員から正職員になったとの報告があった。2020年5月の連休は道路の反対側に拡幅した駐車場が満車になるほどの盛況ぶりだった。食堂部門の売り上げが特にすごく、今年から売りだした、しそジュース、ウメジューズ、オレンジ、レモン、リンゴソーダなどのソーダ類、いわゆる、水ものが好調であった。 これらは、粉物と同じで、利益率が高いので食堂部門の利益率は全体の中でもダントツ。道の駅の利益率も以前に比べて数倍にもなっている。つまり、以前の様に農協の米、野菜、果物、漁協の魚の利益率は15%程度であり、販売経費を入れると利益率が小さく卸売の状態だった。  それが現在食堂部門の利益率は7割以上。単純に昨年の様に、農家、農協の製品を年間1000万円の売上げても利益率15%で150万円、1ケ月に12 万5千円の利益では赤字だった。それが利益率の高い商品の比率が高くなり、最近のペースでいけば年は6000万円、月間500万円、利益率が6割として月間300万円。月10万が300万円と30倍になっているのだ

9話:粉もんで儲けよう2(202004-09)

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 今日の道の駅の販売会議でピザの製造の中で中力粉の練りに力がいるので途中で交代した方が良い事。小麦粉が飛び散り汚れるというのが問題になり、掃除するために小さな掃除機が必要という事になった。 土、日、祭日は1時間早出して午前8時から午前中に96枚製造した。売れる数量を見て使い製造をしていくとこにして、もし製造が間に合わないようであれば販売終了の看板を出すしかない。翌日の日曜日も開場までに48枚用意した。10時に20枚近く売れたので、お昼までに24枚製造したが売れ行きが良さそうなので連続して48枚製造した。午後3時過ぎにすべて売り切ったので販売終了の看板を上げた。 120枚で18万円の売り上げであった。拡幅工事後の売り上げは予想通り汁物、丼物が好調で、対前年5割増であった。利益額も予想通り順調。最後に海津から役場の山田さんへ、今年の2020年4月以降はお客さんの増加を前年比5割増とすると職員を10名ほど増員しないと難しいし、夏休み中はさらに10名、計20名の人員は必要だと言った。正式職員、又は季節職員、学生さんのアルバイトでもいいから増員を真剣に考えてほしいとの要望を出し、最低、今月から土日祭日は10人の増員をお願いしたいと話した。  ついに桜の季節を迎えて観光客が増えだした。ピザは土日祭日は192枚製造していった。土日祭日の忙しさは、特にひどく、アルバイト職員を平日から土日祝日に変更できるように要請した。ピザの注文が多いので2グループ制で48枚 /時間、製造体制をテストした。翌週の土曜から早出して昼までに192枚作り。お昼までに全部売れた。そこで在庫が残ったら職員が持って帰ってもいいから連続して昼過ぎからも192枚製造するよう指示した。午後3時半時点で残り枚数12枚、午後4時で3枚となり直ぐ売れた。192枚、28万8千円。一品でもちろん最大であり昔の一日の売り上げに相当する金額だ。  今年から導入したコーヒーマシンも好調。ピザを食べるときにコーヒーやコーラ、ジュースも売れまくった。ピザは全体の3割程度が持ち帰りだった。原価率から言うと、お好み焼き、ピザなどの粉物の収益率が一番良い。お好み焼きの注文も多くの種類を用意して販売し、好調だった。2019年から比べても原価率は半分以下になり、その分、純利益は昨年の数倍になってい

8話:粉もんで儲けよう1(202004-09)

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 2020年の春、海津の奥さんが、今年度は、利益率の高い、粉ものの販売を提案してきた。具体的には、お好み焼きとピザだった。ピザと言っても実際にはピザ風のナンであるが、トッピングにサラミ、チーズ、ベーコン、野菜をいれたミックスピザを電子レンジで作るというものだ。海津の奥さんは自宅でも中力粉でミックスピザ風のナンを作っていた。他の職員にも作り方を教えて3月中旬から試験的に販売することにした。そのために三つ叉ガスコンロと電子レンジを増設した。実際に海津夫婦がビザ風ナンを中力粉と砂糖と生イーストをいれて熱湯を粉に入れては、お箸でかき混ぜ、水分を十分に含ませて、手で十分に練り、赤ちゃんのほっぺの様に、柔らかく、みずみずしくなったら、熱湯が入った大きなフライパンの上に、練った ビザ風ナン生地の入った大きなボールを浮かべ、蓋をして20分、1次発酵させる。  時間になったら、それをナイフで12等分して、分けた塊を12個の丸い団子にして、厚手のプラスティックシートの上にのせて、団子の上に濡れふきん(日本てぬぐいでも良い。)をのせ、10分間、二次発酵させる。 終了したら、パンで使う木製の回転するのばし棒で、楕円形に伸ばし、それを半分に切断し、丸く伸ばし、24枚のピザ生地にする。それを数人で28cmフライパンで焼き、焦げ目がついて、一部が膨らんできたら完成。  1kgの中力粉で24枚のピザ風ナンができあがる。翌日から10時から午後3時までの試験販売をする事にした。海津がの配合表とレシピを作成して料理係に渡した。9時からピザ風ナンを作り始めた。同時に3つの大きなフライパンで手際よく焼く。焼けたそばから、あらかじめ切っておいた具材の野菜、ベーコン、チーズをのせて電子レンジで1分弱。チーズがとけたら完成。終了まで約一時間。注文が多くなれば、あらかじめ焼けたピザ生地を多く作っておく方が効率的だ。  その週の土曜日は8時に早出して9時にはピザ24枚完成、その後連続して10時までに48枚製造。10時過ぎるころから、お客さんが増えてきてピザの注文が増えて特に持ち帰りの人が多くなった。そこで、11時、12時と連続して48枚焼いた。合計96枚。昼過ぎからもピザの注文が増えて、午後3時過ぎには全部売り切れた。売切れの看板を掛けて終了した。

7話:売り場拡張工事(201911-202003)

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 農協との会議の2週間後に、臨時の会議が招集されて、秋からの果物、米の販売の打ち合わせをした。リンゴ・ジョナゴールドが9月中旬から10月中旬、王林・ふじは10月下旬から11月中旬、その後、イチゴが翌年の春まで続く。リンゴ、梨、イチゴはジュース、ジャムとして販売。ジュース・ジャムは、専門業者に依頼して製造してもらう事にした。 米とお餅は農協から、以前より多くの量を運んでもらうことにした。米の2kg、5kgは50袋、30kgは、5袋だけ在庫して、30kgが売れ残ったときには1週間後に在庫品を5キロ袋に詰め替えて販売することにした。お餅は、磯辺焼きや、おしるこ、お雑煮を販売していくと決めた。  全ての商品は試供品を切らさずに提供する様にした。炊飯器、ジャーも用意して発泡スチロールの小さな皿もしっかり在庫して置く事を販売員全員で確認しあった。その他、もち米とパックつめのお餅も業者に委託製造してもらい販売していった。売りたい商品の大きな看板を作り国道からも、はっきりと見える様にした。翌週からこの計画が動き出したが、土日の混雑にスタッフの数が足りず、お客さんを待たせるケースが見られる様になった。11月になると農家も暇になるのでアルバイトの人数も増やせる様だ。土日祭日は、平日の二倍の人数が必要となり、駐車場の管理スタッフも置かないと駐車できない程、車が多くなった。売上金額を最高金額を更新しても現状のシステムと人数では頭打ちになりそうだ。  海津は道の反対側も整備して駐車場にしていくべきだと考え山田さんに進言した。そして道の駅の近くの駐車場の1区画を食堂コーナーとして丸テーブルを置いて蕎麦、お餅料理、その他の商品の食事スペースにすれば更に売上増加が期待できると考えた。お客さんが減る冬場に駐車場拡張工事をすると山田さんから連絡があった。そうなると道の駅の規模拡大で更に最低十人の人員が必要となると山田さんに伝えた。すると山田さんが道の駅のパート職員募集と、中高年の方にも働いてもらうよう働きかけることを約束してくれた。  11月になり、お客さんの数が減ってきたのを見越して駐車場の整備工事が始まった。工事期間は5日間。10月の最終売上金額で3500万円強の売上と過去最高金額をたたき出した。駐車場拡幅工事後、来年は6000万円

6話:農協との交渉(201910-202001)

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今年は秋に向けての道の駅の重点販売についての話し合いが店長、副店長と海津夫婦と役場の山田さんが集まって月曜の昼から役場会議室で行われるので参加してくれる様に連絡が入った。実は先月から海津さんと奥さんの給料が、売上の増加に貢献したのであわせて、月・20万円の給料になった。当日、会議室に行くと、もう一人農協の宮田部長が来ていた。季節の農産物を売りたいのでその情報をもってきたらしい。会議が始まり役場の山田さんが今日の議題を話した秋の果物の話が中心で果物、梨、リンゴ、柿、葡萄 、イチゴ の出荷時期と販売方法と派生商品のジュース、ソフトクリームなどを道の駅と打ち合わせた。        その他、新米の販売方法で、おにぎり、焼きおにぎり、パッケージした炊いた米。炊いた米の冷凍食品、販売パックの大きさ(2kg、5kg、30kg)。あらかじめ農協では資料を作成して出荷時期が書いてあった。  議長の山田さんから海津に意見を求められた。そこで、海津が道の駅の売上の増加はうれしい限りですが、スタッフの増加や販売するための備品購入など出費も増えているので単に売上促進ばかりに目を向け売上金額増加だけでなく店員数、アルバイトの増員、備品購入費用の分担なども考えるべきだと発言した。続けて、農協さんの要請で販売促進するなら農協の職員の販売員も置いて欲しいし、ジュース、ソフトクリームの機械の購入も折半するべきだと話した。それに対して農協の宮田さんは農協では人員は出すだけの余裕はないと言ってきた。それでは農協会員のアルバイト募集でも良いから出して欲しいと海津は言った。そんな前例はないし第一、秋の収穫期は猫の手も借りたいほど忙しいので現実的には無理だと言ってきた。それならジュース、ソフトクリームの売上が増えて機械を追加購入する時に費用を出してもらえませんかと海津が言うと、農協では前例がないので農協の稟議が降りなければ出来ないと言った。海津が政府の答弁を聞いてるようですねと嫌みを言うと参加者から笑い声が聞こえた。  海津は、続けて全額費用負担してもらいたいのが本音ですが、購入でもリースでも折半でと言った。もちろん、その時には果物の農協さんから道の駅への卸価格も再交渉になるでしょうと伝えた。すると農協の宮田さんが道の駅は、もともと農協の出店みたいにして始まった

5話:運転手と道の駅(201908-201909)

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 火曜の朝10時に山田さんの車で道の駅に出かけた。車で15分、大きな街道の脇に目立った店構えだった。店では商品を並べ終えて、お客さんの来るのを店員が、手持ちぶさたに待っていた。道の駅に到着して、山田さんが海津夫妻を紹介した。紹介してすぐ海津は店員さんに商品を自由に試せる様に小分けにして欲しいと言い、作業に取りかかった。手分けして30分ほどで作業終了。そこで海津が見本を見せるからよく見ておいて下さいと言った。少しづつお客さんが増えてきたところで海津は小さっ切った食パンに特産のイチゴジャムをつけて試食をすすめた。ここのイチゴジャムはイチゴの風味が市販のものと全然違う、論より証拠、試して下さいお客さんとすすめた。1人、2人と試食を始め、お客さんが集まってきた。その内に売れ始めた。  また特産の梨をお客にすすめ、同じ様に売れていった。少しして温かいごはんが炊けて小分けしたごはんを発泡スチロールの小皿の上にのせ、浜で取れた生のりや佃煮をごはんの上にのせて、お客さんに試してもらうよう促した。名物の大山おこわも試食してもらった。まるでバナナのたたき売りの様に売れ始めたではないか、店員達は目を丸くしてその様子を見ていた。しろイカは刺身を小さくして試用見本を店員に作らせ、わさび醤油、すだち醤油で試食させたりした。その後は、多くの商品が売れていった。昼近くになると、その人だかりを見て多くのお客さんが訪れるようになった。 炊きたての、ごはんや、小分けしたパンが、次々になくなり、遅れないように出すように海津が店員に指示した。海津の奥さんは旦那さんに変わって店員を指導して多くの商品をお客に試してもらう様にさせた。その後、海津が陳列や商品の配置を見て回り改善点をメモしていった。それを見ていた山田は一流の人は仕事が早い、すごい。奥さんも売り方が上手で、ここで働いてくれないかと言い出した。午後三時まで仕事をして海津夫妻は家まで送ってもらった。山田は、この結果を役場に伝えると言い海津夫妻に手伝って働いてと言った。奥さんはできるだけ協力しますと言った。  海津が火木の 10時から3時まで、奥さんが火木土なら出られると伝えた。日曜日に海津夫婦が道の駅の件で話し合っていた。まず試食用のごはんを炊く事と試供品をそろえる事。在庫を切らさないように継続して

4話:移住へ開始2(201901-201908) 

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 その晩に、隣の吉田さんのおじいちゃんが突然訪ねてきて、ねぎ、大根をもってきてくれた。また休みの時に子供さんも連れて遊びに来て下さいねと笑いながら言ってくれた。そこで海津一家はお礼を言った。小さいのにきちんと挨拶できるんだねと子供達に言ってくれた。その時、海津一郎がもし何かあったら、すぐ連絡下さい。出来るだけ協力しますからと言った。おじいさんは頼もしいお隣さんが来てくれてうれしいよと言ってくれた。翌日、役所の山田公夫さんから電話で移住後、その後、問題ないか連絡してきた。そこで移住の優遇措置で子供 3人以上の場合、保育園・給食料と医療費が無料になるのを確認して、保育園に入園させることを決めた。お暇な時にお伺いしたいので、空いてる時間を聞いてきた、明晩の夜6時なら大丈夫と伝えて会うことにした。 翌日も、海津は子供達を送り出して運転手の仕事に出かけた。特に問題なく仕事を終え帰宅。奥さんが子供達を風呂に入れ終わった頃、役場の山田さんが手土産持参で訪ねてきた。  話を聞くと、この地区に昨年、道の駅を開設して特産物を販売したのだが3ヶ月を過ぎる頃から、お客さんの数の減少とと共に売上金額も減ってきたというのだ。いろいろ対策を考えて実行したのがうまくいかなくて苦戦している様だ。そこで敏腕セールスマンだった海津さんに良いアイディアを出してくれるように頼みに来たと言い、運転手の仕事の合間に活動して欲しいと言ってきた。火、木、土曜に道の駅へ行き、販売促進のアイディアを考え、販売の指導をして欲しいと言われた。道の駅の売上が上がれば給料5万円、奥さんも協力してくれるなら夫婦で10万円、売上増加次第では給料アップも考えるという条件。海津は喜んで、協力をしますと伝えた。山田さんが道の駅の現状と問題点を書いた資料を持参したので読んで欲しいと渡された。 1週間後に、また訪問して良いですかと言うので了解した。夕食後、海津は奥さんに道の駅の話をしたところ協力してあげたらと言われ、夫婦で月10万円なら助かるわと、奥さんが喜んでいた。一週間後の晩に、山田さんが来て海津が販売促進方法について、実演販売みたいに、話しながらその商品のサンプルを自由に試食させると売上増につながること。また、米は炊きあげた物をサンプルとして置くこと、出来るだけ多くの商品を試食してもらう様にすべきだと言っ

3話:移住へ開始1

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 (201901-201908) 年と月  電話で農家民宿のご主人と連絡を取り合って書類提出を終え、お願いしていた3DKの公営住宅も見つかった様だ。2019年4月にステップワゴンで山陰の海辺の町についた。近所の三件の公営住宅の家に挨拶し、ちょっと離れた農家の吉田さんの家に挨拶に行った。  そこでは、老夫婦、吉田和夫さんと幸子さんが出てきて久しぶりに、こんな可愛い子供達を見たよと、目を細めて喜んでくれた。その後、役所に行き挨拶と簡単な面接を受け 合格した。面接担当者から、ワゴンの運転手で、月10万円の給与を支払うと言われた。週3回 (月、水、金)駅近くのスーパーと病院に2往復(午前と午後)の仕事だと説明された。その後、農家民宿のご主人にも挨拶しに来た。その時に、ご主人が仕事の話を持ってきた、パートだけれど、港の魚の運搬作業で、 毎朝5時から2時間で2000円で働かないかと言ってきた。  奥さんには、介護施設で正社員で12万円/月、パートなら3千円 /1日 と言われた。少し落ち着いてから、仕事の事も考えると答えた 。      翌日、海津夫婦は、今後の仕事の話をして、一郎が運転手のアルバイトとをする事にした。車は10人乗りワゴン。月に10万円、月、水、金の週3回、午前9時出発で10~11時に戻り、午後3時出発し午後4~5時に戻る。 奥さんは介護施設の見習いを始めて最初は昼間のパートから始めてみることにした。  保育園は家から車で五分の所にあり送迎バス付きで朝8時から夕方5時まで。翌週の月曜日、海津は、運転手のアルバイトで決められたコースを走り始めた。停留所というのではなく、手を上げた人を乗せていく方式。送り先はYG病院、二つのスーパマーケット、YG駅へ行き、帰りは一人で戻る。  今日は早めに戻れ、女房と昼食をとった。午後になり午後3時は3人を乗せて出発し8人を拾って戻ってきた。乗客は全員高齢者。年に数回、花見や日帰り旅行も企画されるそうだ。運転手は3人いて月水金、火土、木日で、毎日運行している。終了すると役場に車を置き、家まで送ってもらう。  距離は短く、速度もゆっくりで、事故にさえ気をつけていれば難しくなかった。買い物と病院へ行くのが多い。月曜日に実際に送迎をしてみると、それ程、難しいものではなかった。