21話:企業の3ヶ月研修2

研修所は、話によると、逃げられないように、人里離れた、
山のにあった。
 最寄りの商店街まで、徒歩で1時間くらいもかかるのである。
 海と山に囲まれた場所にあった。
 噂によると、今までの研修で、数人、研修所から、逃げ出した
新入生が数人いたそうである。
 しかし、いずれも、町中にたどり着く前に、
身柄を確保されたようであった。
 逃げた研修生でも、現在も在籍してる人もいる様であ

月に1回程度、部長以上の上役が訪ねてきて、途中経過の報告と
研修生との会議をすることになっていた。
最初に、訪れた上司は、人事部長であった。
 彼は、この研修の意義について、やる気と根性と
必要な知識を徹底的に教え込むのが、目的だと力説していた。
 営業は、最終的には、集中力と根気と根性が重要だと、
げきを飛ばしていた。
 1ケ月が過ぎで、定期テストが行われた。
 その結果は、さんたんたる成績で、この3年で最低だったようであった。

そこで、勉強時間を1時間、追加するようなスケジュールに変更となった。
 翌日から、睡眠時間が1時間、減らされたため、朝寝坊するものも、
出てきたのであった。
研修の先生に、たたき起こされるのは、朝弱い、2人だった。
 2ケ月目のテストで、研修生の江田君がカンニングした
という疑いをかけられた。
 私もその光景を見たので、直接、彼に、カンニングを
辞めるように忠告した。

 彼が言うには、理系の人は、化学的な話も理解できるだろうが、
 文系の人間には、難しんだと言い始めたのであった。
 特に、江田君は、化学が苦手であり、化学記号ばかり見ていると、
頭が痛くなるそうである。 

それを聞いた、文系の天野君が、そんなの関係ない、
勉強は、やる気の問題だと、一蹴されたのであった。
 彼は、孤立して、研修についていけず、
退社していったのであった。

しかし、反面、仲良くなる、ケースもあった。
 私は、ちょっと頑固で、負けず嫌いの性格で、仲間の輪から
外されるケースが多かった。
 板東君も、変わり者であって、よく、仲間外れにされていた。
 しかし、板東君は、長距離走が得意で、毎回1番であった。
 私は、それが、くやしくて、一度は、負かしてみようと
頑張っていたのである。
 ある日、そのB君が、長距離走でどんどんスピードが落ちてきて、
ついに、追い抜くことができたのであった。
 私が喜んでいると、彼が、調子が悪いだけだと言うので、負
け惜しみを言うなと、口論となった。

 翌日、彼は、風邪をひいたのか、38度の熱を出して寝込んでしまった。
 さすがに、私もバツが悪くなり、彼の枕もとで、先日は、言い過ぎて、
ごめんとと謝ると、気にするなと言ってくれた。
 その後、奇妙な友人として、仲良くなったのである。
 その後40度になったら救急車を呼ぼうとなったが、
1週間程度で、回復した。

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