第44話:東京からの若手Drとの思い出1

 もう一つの思い出の出来事があったので書く事にする。
 東京の大学からの派遣先病院が新潟県内、山間部の中小病院でも
数件ある。

 そういう病院に単身で赴任した先生は病院の官舎が完備され
地元の方からの差入れも多く、ほとんどお金がかからない。
 長岡から車で九十分の日本有数の豪雪地帯に、その中山病院はあった。
 そこへ卒後3年目の東京生まれ東京育ちの鮫島先生が赴任してきた。
 口数の少ない気の弱そうな感じのする先生だった。

 その先生が夜はさみしいからと麻雀のお相手をしてくれないかと
言ってきた。先生の官舎は広いから泊まっていけというのだ。
最初は遠慮していたが麻雀に誘われる日が多くなり泊まる様になった。
 その際、必ず旨い酒の肴を準備して訪問する事にした。
 それが好評だったのか良くお誘いがかかるのだった。

 そして数週間後、鮫島先生に真面目な顔で、ちょっと相談にのって
くれないかと言われ話を聞いた。
その内容は、この町の町長の娘さんと見合いをしないかと直接、
町長に言われたというのだ。
むげに断るのも何だから会おうと思うんだけれど、
どうしたら良いかなとの相談だった。

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