86話:松本営業所の開設2

  農協の吉田部長が不動産仲介というのは信頼関係なんで、
知らない方と簡単に商売をするという訳にはいかないんだと言った。 

 しかし地方の営業事務所というのは物件が動かないと困るし、
 今までの取引がない企業も心配だと言っていた。

 そこで北島が車の中から大学病院で使っている薬のパンフレットや
企業パンフレットで売上高や純利益などを説明した。
 すると了解したと言い、取引できずに在庫抱えれよりは直ぐに、新しい
会社が事務所に入ってくれた方が良いから紹介しようと言ってくれた。

 その事務所は長野県で一番の銀行の物件。
 北島がローンを組んだ銀行は二番目の銀行だ。
 つまりライバル銀行だったのだ。 

 吉田部長が意を決して事務所の持ち主の銀行に電話を入れてくれ、
その銀行へ行き事務所を借りる手続きの書類をもらってきた。

 その書類を北島が本社に送り、数日後、その銀行から手続きが
終了したので来月から入居してくださいと電話連絡が入った。

 これでめでたく、松本営業所が新設できた。

 この数年の北島のチームの努力が、花開き、ついに、
実をつけた瞬間であった。

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