116話:愛の逃避行2
その後、甲斐大学病院を北島が担当する様に支店長の指示があった。
仕方なく、すぐに甲斐大学病院を訪問し薬局長や訪問科の先生に前担当者の清水が急病で退社したと伝え担当交代の挨拶をして回った。
その中に昔、仲の良かった吉川先生がいた。
吉川先生は現在、医局の講師で将来有望な実力派であり医局のまとめ役
となっていた。挨拶も早々に協力の約束を取り付けた。
数日後、清水先輩がクビだと決まったと小さな声で所員の前で
田中所長が言ったのだ。
まだ彼は、いまだ消息不明のまま、もちろん身柄は確保されていない。
その二ヶ月後、清水先輩の車が博多港で見つかったとの情報が
営業所に入った。港の駐車場に乗り捨てられていた。
博多港から海外逃亡したかもしれないとの噂が立った。
その後、港の管理事務所から女連れのスーツ姿の男性が釜山行きの
高速船に乗ったとの情報まで入った。
女連れ!きっとママに違いない。気になったのでスナックすずらんの
女の子に情報をもらうため、数日、かよってみた。
それによるとママと清水先輩は、やはり良い仲になっていて隠れて
温泉旅行、高級ホテルなどで逢い引きをしていたという情報まで出てきた。
最初にママと会った時の北島の感じは間違いなかったのである。
清水先輩とママはできていてライバル視して
北島をにらみつけていたんだとわかった。
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