117話:田中所長交代の話1

 4月になったある日、石井支店長が営業所を訪ねてきて北島君、今日、
話があるというので一緒に出かけた。
 高級そうなレストランの個室で食事しながらの話となった。

石井支店長から、びっくりしないで聞いて欲しいんだけれど田中所長が
交代が本社営業会議で決まったんだと聞かされた。
後任の所長はには北島君の同期の東京営業所の鈴木君に決まった。
北島君も協力して多摩営業所を建て直して欲しいと言ってきた。
北島は思わず田中所長はどうなるんですかと言った。
 田中所長は、騒動の責任を取り工場の課長として転勤に決まった
と言った関西の工場の課長ですか?

いくら、何でも、ひどいんじゃないですか、長い間、営業畑で苦労して
きたのに・・、いやーわかるよ、石井支店長は僕も、そう思うだけれど、本社の上司がこの事件を重く見て田中所長の監督不行き届きとして工場への左遷が決まったんだよ。

北島は、むっとして営業マンは所詮、単なる将棋の駒ってわけですか。
そう言うなよ、石井支店長も心苦しいと思っているんだよと言った。
田中所長と話したんですかと質問すると、いや、まだだよ。
なにせ、付き合いも長くて切り出しにくいんだよと言った。
今晩にでも田中所長に話すんですか? いや話はしないというか、
できないよ。社命と言う事で辞令を渡すしかないんだ。

実は石井支店長もつらいんだよと困った顔で話し続けた。

北島は石井支店長と食事も終えて話は、これだけですねと念を押して、
それでは仕事でかけてきますと失礼した。

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