うわさを信じちゃいけないよ?!、コロナウイルスと注射と副作用
あるウイルスに一度感染すると、体内でそのウイルスに対する免疫ができることで再びかかりにくくなる。ワクチンとはこの人体のメカニズムを利用したもので、感染症の病原体「ウイルスや細菌」に対する免疫をつけたり強めたりして、個人の発症や重症化、社会での感染症の流行を予防する。 みなさん、ご存じの通り、ワクチンを打てば絶対にその感染症にかからなくなるわけではないが、発症率が下がり、また、感染した場合でも重症化を防ぐ効果が期待できる。 例えば日本では年間100人ほど破傷風にかかる人がいるが、そのほとんどは活動量が少なく、野外でケガをしにくいはずの60代以上だ。この世代は子どもの頃に破傷風のワクチンを打っていないことが原因と考えられている。 ファイザー社の新型コロナワクチンは従来の生ワクチンや不活化ワクチンとは違う「メッセンジャーRNAワクチン」と呼ばれるタイプだ。 新型コロナウイルスは表面にスパイクたんぱく質という突起がついていて、これが人の細胞に侵入するカギになっている。今回承認されたメッセンジャーRNAワクチンを接種すると、体内でこのスパイクたんぱく質に対する抗体が作られ、ウイルスが細胞の中に入れなくなる。 メッセンジャーRNAとは、細胞の中でアミノ酸からたんぱく質を組み立てるための設計図。ワクチンを接種すると、スパイクたんぱく質を作るメッセンジャーRNAが免疫細胞である「マクロファージ」に取り込まれ、スパイクたんぱく質に対する抗体が作られるというわけだ。生きたウイルスを体内に入れるわけではないので感染症の症状が起こる危険はないし、メッセンジャーRNAは1週間程度で自然に消えるのでヒトの遺伝子に影響を及ぼす可能性もなく、安全性は高いという。 新型コロナのワクチンは、これまで約1億5千万回接種された実績。約4万5千人が参加した治験によると、発症率が、95%低くなることが確認された。これは、発症率が、20分の1にまで抑えられた計算になる。この予防効果は、他の病気のワクチンと比べても高い。対象は、16歳以上で、3週間空けて、2回接種することになっている。 効果は確かでも、多くの人が、気にしているのは「副反応」だろう。岡部さんによると「どんなワクチンにも副反応はあり、平均して10万回に1回程度の割合で入院を要するような重篤な副反応が起こる」という。 ファイザー社の新型コロナワクチ...