第10話 長岡での大送別会の巻
転勤の辞令が出たと知らされた。
3月から、担当交代をはじめてくれと言われた。
その頃、1年後輩のは、彼の病院へ、私の仲の良い先生が
赴任し、同行訪問したりして、親しい関係になっていた。
仕事の、相談に乗ったりと、私を慕ってくれた。
そこで、長岡で、内輪の送別会と言う事で、最初で最後の、
自分の送別会を2人だけで、行うことにした。
最初は、有名な、ラーメン屋で、腹ごしらえをした。
佐藤君の希望で、とにかく、派手に、ぱーと、いきたいと希望だった。
そこで、若者が良く集まる、踊れるパブへ。
夜9時頃に、入ると、若者の熱気で、パブは、むんむんしていた。
まず、カクテルで、乾杯。腹ごしらえと、ディスコミュージックで、
佐藤君に、踊って見せた。
彼は、踊れないというので、即興で、
うまく踊ってる様に見せる方法を教えた。
酒が回ってきたのか、彼も、積極的に、ナンパをはじめた、
なかなか、うまくいかない。
そこで、女の子2人組をターゲットに誘いはじめた、やっと、
うまい具合に、一緒に飲んでくれる仲間ができた。
名前は栄子さんと、早苗さん、隣町の出身で、電気関係の
会社のOL、入社2年目との事であった。
彼女たちが、踊り疲れたというので、少し、
静かな、スナックへと移動した。そこは、意外と、すいていた。
ちょっと、奥の席に、4人で座って、とにかく、乾杯。
つづいて、場を盛り上げるために、その当時、はやっていた
「スカイハイ」を情熱的に歌った。
かなり、うけて、場が盛り上がってきた。次に、彼女たちが2人で、
アバのダンシングクイーンで、反撃に出てきた。
リズム感も良く、声もとおり、かなり、遊び慣れてるように、感じられた。
佐藤君に、何か歌えよと、いうと、先輩、私音痴でダメなんですよと、
泣き言ういっていたので、歌を選んであげた。そして、我々、2人で、
歌うことで、しぶしぶ、歌い始めることになった。
彼は、ビートルズが好きだという事で、「イマジン」を歌った。
何とか歌い終えた。
すると、佐藤君の演歌歌手のような、真面目な歌い方が、
かえって、好印象だったようだ。
続いて、彼女たち2人組が選んだのは、アバの
「恋のウオータールー」であった。
歌が、あまりに、うまいので、歌っている早苗さんの、
マイクを、むりやり取り、一緒に、踊りだした。
最初は、慌てていたが、すぐに、リズムに乗って、踊りだした。
佐藤君も、入って、大いに盛り上がった。
次に、気分を変えて、サイモンとガーファンクルの
「明日にかける橋」をうたった。
これが、他のお客さんにも、大うけで、サイモンとガーファンクルの
他の歌にも、リクエストがきたくらいだった。
次に、彼女たちが、続いて、また、アバのマネー・
マネー・マネーを歌いだした。
これには、スナック中が、もう大変な盛り上がりで、
他のお客さんも、近くに来て、気さくに、飲み物をおごってくれた。
彼女たちに、聞いてみると、歌は大好きで、特に、栄子さんは、
かなり歌いこんでいるようであった。
それに早苗さんが、誘われる様になったそうだ。
そこで、栄子さんに、今、興味持っている歌手や、歌を聴くと、
洋楽が好きで、特に声のきれいな人が好きだと。
最近、オリビアニュートンジョンが好きと。何か歌ってというと、
カントリーロードを歌ってくれた。
これも、非常に感動的な、歌い方で、上手だった。
私はお返しに、サイモンととガーファンクルの
「コンドルは飛んでいく」を歌った。
彼女は、「そよ風の誘惑」で返してきた。そこで、
また、「ボクサー」で対抗した。
鈴木君はというと、かなり酔った様で、お茶を飲んでいた。
スナックの中はというと、いぜん、大盛り上がりで、拍手の嵐。
歌ってる者にとっては、こたえられない雰囲気であった。
会場から、また、アバを歌ってとのリクエストが飛び出した。
そこで、彼女たちが選んだのは、マンマ・ミーアであった。
周りのお客さんも、この歌に合わせて、踊りだしたのである、
も~最高でした。
彼女たちの歌は、もちろん、振付けつきで、踊りながら、
歌ったので、更に、盛り上がった。
遅くなったので、そろそろ、帰ろうという事になり、
会計をお願いすると、マスターが、いえ結構ですと。
マスターが、あの窓際の、女性が、みんなの分は、
私につけて、おくように言ったんですよとの返答。
もちろん、まだ際の女性の方へ、行き、お礼をのべると、
彼女は、久しぶり、こんな楽しい夜は!と喜んでいた。
少しお話を聞いてみると、ちょっと前に、旦那さんがなくなったと。
長岡の中心街で、数十年も商売をしていたんですが、
やる気が失せて、店をやめたとの事であった。
旦那さんの残してくれてた、たくわえで、今は、
悠々自適に過ごしている様子。たまに、この店にも、来るのよと。
若い人の元気をもらって、長生きするためよと、笑っていた。
だから、私こそ、あなた方に、お礼を言いたいわ、
楽しい時間をありがとう。なんと素敵な言葉だろう。
久しぶりに、熱いものがこみ上げてた。涙を見られないように、
その場を去った。
席に戻り、事の顛末を、全て、みんなに話した。全員で、
窓際の女性に、
お礼を言い、失礼した。
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