17話:設備工事会社の社長の息子とのエピソード

我が工場に出入りしていた設備工事会社の社長の息子とのエピソード。
工場の設備工事を、お願いしている、近くの町の
設備工事の社長の息子と、彼の叔父さんの二人で
工場に来ていた。
 社長の息子は、私と同じ年で、色んな話をしたり、
たまに野球の助っ人として、参加してもらっていた。

彼は、いわゆるイケメンで、女にもてて、
工場のおばさんにも、人気が高かった。
 何回か、近くの町に、繰り出して飲んだ事もあった。
 ある年のクリスマスの日に、近くの町へ、飲みに行き、
彼が、二人組の女の子をナンパしてきた。
 私はあまり得意ではないのだが、酒も入り、
いつもより、積極的に踊ったりしていた。
 その後、二次会で別のスナックに移動して、
歌ったり踊ったりしていた。






その時、私の故郷の横浜の話になり、
彼女が数年前に一度行った事があると言い出した。 
 素敵な街で、特に山下公園や海の見える丘公園、
外人墓地が気に入った様であった。

こんな田舎町に、なんで来たのかと、聞かれ、
この不景気で、就職先がなく、来たと、答えた。
 今の住んでる場所を言うと、なんで、あんな
ど田舎にいるのと、不思議そうに言うので、ただ、
仕事があるからさと、答えると変な人ねと笑っていた。
 社長の息子が、あー見えても、彼は新製品開発を
している技術屋さんなんだよと言った。
ほんと見えないわね、力仕事をしてる
ただの工員にしか見えないと笑っていた。
 そんな話をしているうちに、社長の息子は彼女と、
知らぬ間に、消えていった。
 残された我々二人は、ちょっと気まずい
雰囲気になってきた。
 その時、彼女が、あいつら、さっさと、
いい所へトンヅラしたんだよと言ったのである

 数日後、あの社長の息子が仕事で、工場を訪ねてきた。
 昼休みに、社宅の私の部屋で、先日の宴の話で
盛り上がった。
 彼が、彼女は、すごかったろ、あいつ遊び人で、
有名なんだと教えてくれのであった。
彼女、お前の事、気に入ったと言っていたと
話してくれた。

でも彼女は、いろんな奴と付き合っていて中には、不良の連中もいるので、気をつけろと忠告してくれた。
 高校時代のスケバンの頭領やっていて、近隣の高校では
名の知れた、つわものだった様で、その時の不良仲間の数人とも、
いまだに、付き合っている様だと、教えてくれた。

そんな野郎に負ける訳ないだろうと、強がると、
とにかく気をつけろの一言であった。
 間違っても、調子に乗るんじゃないぞと、きっぱり言ったのである。

  社長の息子も、随分、喧嘩していた様で、右の頬に、
傷の跡が、残っていたのであった。

 その後、彼女が大型バイクで、私の社宅に、
遊びに来る様になり、仲良くなっていった。

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