78話:松本での家を買う2
ところで担当者が北島と奥さんの両親は何をしてるのと聞くので
女房の父が会社を経営していると答えると担当者の顔が急に明るくなる
ではないか、もっとそれを早く言ってよと言うのだ。
電話番号聞かれ確認された後あれだけ嫌な顔していたのが
上機嫌にかわり商談成立となった。
北島が担当者に詳細を聞くと大丈夫ですの一言。
無事、購入となった。その後、銀行でローンの相談。
北島さんなら一千万円までしか貸せませんが奥さんの両親が
保証人なら五千万円まで貸せると言うのだ。
これで松本に、あこがれの戸建てのマイホームを手に入れた。
しかし、その後、冬将軍との闘いや凍結、湿気との対決が待ち構えて
いる事を想像できない程、夢ごこちの北島だった。
この冬、松本の厳しい冬将軍の攻撃が容赦なく半年も続いた。
灯油の消費量が多く厳寒期は五百リットルの屋外タンクを満タンでも
一ヶ月持たず補充する有様だった。
家の庭には巨大な霜柱がびっしりと立った。
引越して近くの小学校と保育園に入学、入園の手続きを取った。
女房がローン返済のために働かかなきゃ大変でしょと言い、近くの
大手電機メーカーの工場の下請けの会社に就職した。
朝八時に北島が一番下の息子を保育園に送り、すぐその後、
小学校の娘と女房が家を出る。
また夕方、小学校の娘が交代制で一番下の弟を保育園に自転車で迎えに
行く生活が始まった。
四~五月の桜のシーズンになって朝の霜がなくなると若葉が芽を
出す良いシーズンが始まる。
女房も働いて数ヶ月たって何人が友人もできた様で楽しく働いていた。
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