第91話:PTA会長にさせられる1
降ってわいた様な、話が舞い込んできた。
今年は娘の通う小学校のPTA会長選挙だ。
今年は北島の娘の通っている小学校のPTA会長を選出する年なのだ。
この地域は地元の人が多く大きな敷地の家が多い。
昔からの商売人とか近くの工業の取締役とか豪農の人が多い。
しかし高齢者が多く彼らの子供達は、便利な松本駅前のマンションに
移り住んでるケースが多く毎年PTA会長の選出に苦労している様だった。
そして地区会長が六十才以下のいる家をくまなく訪問して回るのだ。
朝早く電話が鳴り地区会長が訪問したいのだが、あいてる日を
知らせてくれと言われ、今週日曜と言った。
北島家も娘二人が通っていたので訪ねてきた。
正直に営業で県内を飛び回っているので忙しくて
PTA会長はできないと答えた。
その二週間後また町会長が別の役員さん二人を連れてやってきた。
高齢者と商売人が多くサラリーマンが少ないので協力して
欲しいというのだった。
小学校の娘がお父さん何やってると先生に聞かれ、薬の営業マンを
して、近いうちに営業所を作りたいみたいだと言ったそうだ。
それで営業マンをやっていることが知れた様だ。
その話のうまいところを生かしてぜひともPTA会長を
やってくれとの言った。
北島が忙しくて出られない時は、どうするのか聞くと
優秀な副会長として農家の奥さんで看護婦をしてる人を
お願いしてるから、どうしても北島さんが出られない時には
替わりに彼女に出てもらうと言った。
北島が県外のよそものなので、まずいでしょと言うと、
かえって、しがらみがないから良いんですよと言ってきた。
とにかく女房と相談してから答えると一週間考えさせてくれと言った。
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