83話:サリー先生との別れのキス1

 今年の営業所の忘年会は松本城の近くの「しづか」で一次会して
二次会はスナック中町、ゆかりママの所へ行った。
 ここまでは例年通りたっだのだが、そこへ珍客が現れたのだ。
 その珍客とは英会話教室のサリー先生だった。
 何でも今年いっぱいでカナダに帰るので、その挨拶に来たと言うのだ。
 それを知ったゆかりママが気を利かして呼んだ様だ。
 そして北島が会社の仲間にサリーを簡単に紹介した。しんみりとした
 送別会にしたくないので陽気に飲んで歌って大宴会となった。
 また、いつもの様にサリーは、かなり飲んで上機嫌だった。
 ついに北島の事を英会話学校でのニックネーム、
ミスター・ノーと呼び始めた。
 英会話教室でサリー先生が生徒に意見を聞くと日本人の生徒はYesと
最初に言ってから話し始めるの人が多かった。
 しかし北島はつむじ曲がりで最初にNoと言ってから話を始めるので、
ついたあだ名が「ミスター・ノー」なのだ。
 サリーの北島への第一印象は奇妙な日本のサラリーマン
だと映ったらしい。
 しかし親しくになるにつれ、率直にものを言う頼れる
お兄さんになったそうだ。
 そしてサリーが祖国、カナダに帰る理由を聞くとサリーの
恋人が監獄から出所してくるからだと言う。
 詳しく聞くと喧嘩で怪我させた相手が、よく調べてみたところ、
お尋ね者で更に相手の方が先に殴ってきたことが判明した様だ。
 そのためサリーの恋人の懲役五年が一年に短縮されたためらしい。
 サリーは、ちょっと前まで中国人、韓国人、日本人の区別もできない
様なカナダ人だったと言った。
 しかし日本に来て日本が先進国である理由が日本人と接して
良くわかっとの言うのだ。
 勤勉で人に優しい良い人ばかりだと言ってくれた。

コメント

このブログの人気の投稿

7話:船不足で大儲けと軍国主義で日本を離れて欧州へ

うまい日本酒の話1:越乃寒梅

地球温暖化の原因と影響と対策、7:赤潮(海水汚染)食用魚の死滅