110話:信州を去る日2
間欠泉センターは日本で代表的な天然の間欠泉で、そこが温泉施設になっていて休日に温泉を楽しんだものだ。
(現在、温泉施設は閉館して存在しません。)
また数分後、左手に蓼科、その奥に雄大な八ヶ岳があらわれてきた。
夏の暑い日にドライブで車山高原、霧ヶ峰高原、美ヶ原高原の山岳ドライブを楽しみ、美ヶ原を、涼しい風の中、散歩したのが懐かしい。
小淵沢から山梨県に入り韮崎、甲府とつながる。一時間以上過ぎた頃、やがて相模湖町が見えて神奈川県に入り続いて八王子あたりからマンション群が建ち並び、都会の様子となっていく。戦場に向かう兵士の様な武者震いを感じたのには北島自身、奇妙な感じがした。そして新宿に着いた。
そこから徒歩10分の所に東京支店がある。そこで挨拶をしてまわった。
顔見知りの女子社員は、やさしくお帰りなさいと行ってくれた。
しかし営業の連中は、何とも言えない複雑な顔つきで、こちらを見ていた。中には、いーよなー、成績の良い営業マンは転勤でも、わがままが言えてなどと、あからさまに嫌みを言うものまでいたくらいだった。多分これが営業社員の本音なのかもしれない。めんどくさい相手が戻ってきた、また、大変だとでも言いたそうだった。
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