115話:愛の逃避行1

 年末年始の休みが明けて仕事始めの日、清水先輩が出社してこなかった。
 そして数日後、この出来事が意外な展開を見せ始めた。

 清水先輩が休み続けたのだ。理由もわからずじまい家族からも帰って
こないと電話が入り最後には家族から捜索願が出た。

 仕事の接待でスナックすずらんへ出かけた日の事、ママ今日休みなの
店の女の子の話だった。
 よく聞くと、この数日、行方知れずだと言う事がわかった。

 そして、どうも、店のお金も持ち出したようで、昨晩は、大騒ぎだった
と言う事も、店の子が内緒で北島に教えてくれた。

 その返済の問題で、マスターとオーナーと昨晩、遅くまで、
話し合っていたそうだ。北島は嫌な予感が心の中をよぎった。

 まさか清水先輩とママが愛の逃避行いくらなんでも、それはないよ幾度もつぶやいたが、心配が心の中で風船の様にに膨らんでいくのを感じた。 
 そういえば清水先輩の営業車、車検といっていたが数日見てない。

 米子営業所の所長から二週間後、通行人が清水先輩のナンバーの
営業車を山陰の米子で見たという一報が入った。
 ただ見たと言う事だけで清水君が見つかったわけではない。

 所長が東京支店と本社に頻繁に電話をして今後の対策を練っていた。


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