119話:同期の奴が多摩営業所の所長に1
翌週には、東京営業所の同期の鈴木君が、新所長として赴任してきた。
久しぶりに会ったが銀縁のメガネが、よく似合うインテリ風の顔立ち。
少し年を経て、ますます切れ者の風貌が備わってきた。
まず北島は鈴木君と握手をして久しぶり、元気と気さくに話しかけた。
ちょっと笑いながら、でも所長さんだから敬語でないと駄目かなと、
おどけて見せた。いじわる言うなよと鈴木君は言い返した。
北島が時間は大事にしたいから今から多摩営業所の情報を伝える事に
すると話した。
また関係資料のコピーも用意するから、読んでおいて欲しいと
鈴木新所長に伝えた。
営業所の現状と問題点、その対策を要領よく述べた。
鈴木は北島の顔を見ながら、さすが実績をあげて言う事も、そつがなく
要領よく、まとまっているなと笑った。
これで北島が話は、これで終わり、後は、この資料を良く読んで
おいてと渡した。午前十一時には営業に出かけた。
数日後、鈴木新所長の歓迎会となった。場所はスナックすずらん。
そこに着くと童顔だが、ちょっと太めの店の子が、
新・ママのさちこです、宜しくと挨拶に来た。
さちこ、幸せな子と書きますと、おどけた口調で言った
ので、周りの笑いを誘った。
歓迎会とはいえ、あまり堅苦しくなる事もなく、
気さくな感じで進行していった。
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