121話:同期の奴が多摩営業所の所長に3
甲斐大学病院の吉川先生は医局のローテーションで来ている様で、いろいろ情報をもらえる貴重な存在になっていった。
甲斐大学病院を訪問した時、吉川先生に、また所長同行で来ますので宜しくと言った所ちょっと、しかめっつらをして、その話は、いいよとの返答。
東京の大学の医局の教授と何か、あったらしく東京のエリートは、
いけ好かないよと言い出した。
吉川先生が北島君、鈴木君の事ほんとに好きなのと言う始末だった。
安易に鈴木所長の事は言えない雰囲気だった。
これ対して鈴木所長と仲の良い、もう一人の桜井先生は彼は気は利くし
賢いし言う事ない営業マンだよ、彼なら一番出世するはずだよと言った。
北島君も鈴木君を見習って頑張れよと逆に励まされた。
早いもので、寒くなり今年も年末を迎えた。
忘年会は所員の年齢も近く、和気あいあいの楽しい宴会となった。
北島は調子に乗って歌って踊ってはしゃぎまくっていた。
スナックすずらん幸子ママが北島の横に座って、ねー聞いたと言った。
前のさおりママがタイで見つかったそうよ。
北島さんの会社の清水さんと愛の逃避行だったみたいと教えてくれた。
日本には戻ってこないつもりらしい。
素敵と言いたい所だけれど、ひどい話よね。
このスナックの、お金を持ち逃げしたのよ。
今、そのお金を返済中で実は大変なのと言っていた。
だから、また、ご贔屓にしてねと、ウインクした。わかったよ、できるだけ接待に使う様にするよと答えた。
彼女は鈴木所長について北島さんと同期と聞いてますが全く正反対の
堅物ね良くあれで営業成績が上がったわねと話した。
彼女の口から北島さんの方が百倍すきと軽くキスされた。
実は北島も同期と言っても一緒に仕事した事はなく、彼と一緒に仕事するのは今回が初めてで内情は全く知らないんだよと彼女に答えた。
ただ東京支店長や営業本部長の受けが良い様で、その結果として
多摩営業所所長に十年目に就任するという、社内一の
スピード出世となった様だと話した。
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